出雲国風土記と出雲湯村温泉
出雲国
古代出雲国は現在の島根県東部に位置し、縁結の御利益がある
とされる出雲大社(島根県出雲市)、加茂岩倉遺跡(島根県雲南市)など
神の国出雲の面影が今もなお残っている。
風土記について
今から約1300年前の713年、元明天皇が各国に官命を下された。
この官命の主な内容は、地名をつける、郡内の産物をまとめる、山川原野名の由来や古くからの伝説を記して提出することだった。
これが後に「風土記」と呼ばれるようになった。
現在「風土記」の大部分が残っているのは、わずか5カ国で、このうちの1つが「出雲国風土記」である。
現存する5カ国の風土記は次の通り。
風土記の名称 | 令制国名 | 現在の位置 | |
---|---|---|---|
出雲国風土記 | (いずものくにふどき) | 出雲国 | 島根県東部、雲州(うんしゅう)と呼ぶ事もある |
常陸国風土紀 | (ひたちのくにふどき) | 常陸国 | 茨城県の大部分と福島県~宮城県南部 |
播磨国風土記 | (はりまのくにふどき) | 播磨国 | 兵庫県南西部 |
肥前国風土記 | (ひぜんのくにふどき) | 肥前国 | 佐賀県と長崎県のほぼ全域 |
豊後国風土記 | (ぶんごのくにふどき) | 豊後国 | 大分県の大部分 |
※出雲国風土記は、現存する風土記の中で唯一ほぼ完本で残っている。
出雲国風土記の構成
出雲風土記の条項 | 主な記載項目 |
---|---|
Ⅰ 総記 | 国の形と面積、国名の由来と各郡の概要が記してある。 |
Ⅱ 各郡 | 合計九つの郡ごとに郡総記があり、郷、社、山野・河川・池・島、植物や地名の由来・伝説・産物、郡境路程などが整然と区分され記してある。 |
Ⅲ 巻末記 | 主要道、軍事施設、風土記の完成年月日と最終筆録者、責任者が記されている。 |
出雲国風土記の特徴
出雲国風土記は天皇、王族の文言はなく、神話伝説が記されている事が特徴で神の国出雲の神話が 出雲国風土記が成立したとされる733年にはすでに存在していた事になる。
また、この風土記には Ⅱ項に各郡の神社が記され、Ⅲ項の巻末記には主要道と並び軍事施設が記されている。
出雲の国でつくられた「出雲国風土記」と「古事記」や「日本書紀」を比較すると、内容が一致しているとはいえない。
当時の出雲国がどのような意図で「出雲国風土記」をつくったのか非常に興意味深く、研究をしている方は数多い。